「マトリックス」の世界観と名言を英語セリフから読み解く

マトリックス 名画座

仮想現実下の人間社会を斬新な映像で描写した「マトリックス」から、深い名言・カッコよくて使える表現などをオリジナルの解説付きで紹介しながら、その独特な世界観に迫ります。

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The matrix has you. -マトリックスが見ている-

The Matrix has you.
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Wake up, Neo…
The Matrix has you…

起きろ、ネオ、、、
マトリックスが見ている、、、

ネオのコンピュータースクリーンに突如現れた意味不明のメッセージ。

“have” というのはとても幅広い意味を持つ単語です。

単に「持っているモノ」だけでなく、自分の周りに存在する、予定しているものはたいてい have で表現できます。

この場合のセリフ “The matrix has you” というのは、

「マトリックスがお前を持っている」つまり「マトリックスがお前を捕らえた」という意味なんです。

たった4語の文ですが、have がもつおおもとのイメージをつかんでおくと、より臨場感がでてきますね。

You need to unplug. -プラグを抜け-

マトリックス ネオ
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Neo: You ever have that feeling where you’re not sure if you’re awake or still dreaming?
起きてもまだ夢見てるような感覚はあるか?

Choi: Mm, all the time.
Hey, it just sounds to me like you need to unplug, man.
そんなのしょっちゅうだよ。
おまえ、コンピュータのやりすぎじゃねえか?

ハッカーとしての顔を持つネオと、闇の仕事を依頼したチョイのやりとりから。

「起きてもまだ夢見ているような感覚はあるか」

と訊くネオに対し、”All the time (いつもだよ)” と答えてますが、チョイは薬物のことだと勘違いしています。

このときチョイが無意識に発した “unplug” という言葉。

否定を表す接頭辞の “un” に “plug (プラグ)” で「プラグを抜く」、つまりコンピューターのプラグを抜いてたまにはオフラインになれよ、と言っているわけですね。

今後重要なキーワードとなる “unplug” という単語を、伏線として物語の最初に登場させていることがわかります。

looking for an answer -答えを探して-

マトリックス トリニティ
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Trinity: You’re looking for him.
I know, because I was once looking for the same thing.
And when he found me, he told me I wasn’t really looking for him.
I was looking for an answer.

It’s the question that drives us, Neo.
It’s the question that brought you here.
You know the question just as I did.

彼を捜してるんでしょう。
私も昔さがしてた。
彼に会って言われたのは「君が探していたのは俺ではなく答えだ」ということ。
我々を突き動かす疑問。
あなたをここに連れてきた疑問。
あなたにもわかっているでしょう。

自身も凄腕ハッカーだったトリニティは、ネオが認識している違和感にいち早く気付いています。

突然動き出した事態に戸惑うネオでしたが、トリニティ、そしてモーフィアスにしてみれば必然の成り行きだったわけです。

“look for” は「探す」と言う意味の定番表現。日常会話や歌詞などにもホントによく出てきます。

トリニティのセリフのように、be 動詞と合わせて進行形となることが多いのが特徴ですね。

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phone call -電話-

マトリックス エージェント スミス
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Agent Smith: You disappoint me.
君には失望したよ。

Neo: You can’t scare me with this Gestapo crap.
I know my rights. I want my phone call.
ゲシュタポまがいの脅しには乗らないぞ。
俺には電話する権利がある。

Agent Smith: Tell me, Mr. Anderson, what good is a phone call if you’re unable to speak….
口が利けなくても電話するかね?

マトリックス界のエージェント・スミスから尋問を受けるネオ。

ネオは弁護士に電話する権利のことを言っているようですが、面白いのはそれに対するスミスの回答です。

実は “What good” には

  • 何の役に立つのだ?
  • 何も良いところはないぞ

というニュアンスがあるんです。

電話は現実とマトリックスの世界をつなぐ重要な小道具です。

つまりスミスは、「お前を電話で現実世界に移動させるわけにはいかん」

という意味も含めて警告しているわけですね。

fate -運命-

マトリックス モーフィアス
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Morpheus: Do you believe in fate, Neo?
運命を信じるか?

Neo: No.
いや。

Morpheus: Why not?
なぜ信じない。

Neo: Because I don’t like the idea that I’m not in control of my life.
自分でコントロールできない人生は好きじゃないんだ。

Morpheus: I know exactly what you mean.
Let me tell you why you’re here.
You’re here because you know something.
What you know you can’t explain. But you feel it.
You’ve felt it your entire life.
That there’s something wrong with the world.
You don’t know what it is but it’s there, like a splinter in your mind driving you mad.
It is this feeling that has brought you to me.
Do you know what I’m talking about?
言いたいことはよくわかる。
君がここにいるのは知っているからだ。
言葉にできなくても感じている。
君はそれをずっと感じてきた。
今の世界は何か変だ。
何かは知らないが、それは心の中に断片のように存在して自分を狂わせる。
その思いが君をここへ。
何の話かわかるか?

他人にコントロールされることを拒否するネオの姿勢に、モーフィアスも自身のある考えに確信を抱いていきます。

それにしても、トリニティもモーフィアスも回りくどいですね。。

ネオじゃなくても “What (何が?)”、”Who (誰が?) 、”Why(なぜ?)” と聞きたくなってしまいますよ。

A prison for your mind -心の牢獄-

Morpheus: The Matrix is everywhere.
It is the world that has been pulled over your eyes to blind you from the truth.
マトリックスは至る所に存在する。
真実を隠すため目の前に下ろされた虚像の世界だ。

Neo: What truth?
真実とは?

Morpheus: That you are a slave, Neo.
Like everyone else you were born into bondage, born into a prison that you cannot smell or taste or touch.
A prison for your mind.
君が奴隷だということだ、ネオ。
君は捕らわれの身としてにおいも味覚もない世界に生まれた。
心の牢獄だ

slave とか prison とかネガティブな言葉が続きますが、フェイクニュースあふれる現代社会を20世紀末から風刺しているようなセリフですね。

Welcome to the real world. -現実世界へようこそ-

Morpheus: Welcome to the real world.
現実の世界にようこそ

Neo: Am I dead?
死んだのか?

Morpheus: Far from it.
いや、新しい誕生だ。

モーフィアスはかなり絶望的な状況に皮肉を込めて「ようこそ」と言ってます。

プラグを抜かれ、「死んだのか」と問いかけるネオ。

“Far from it” は直訳すれば「それからは離れている」ですが、要は「死から離れた」すなわち「生きている」をもったいぶって言ってるんですね。

electrical signals -電気信号-

マトリックス ネオ モーフィアス
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Neo: Right now we’re inside a computer program?
ここはコンピュータの中か?

Morpheus: Is it really so hard to believe?
Your clothes are different.
The plugs in your arms and head are gone.
Your hair is changed.
Your appearance now is what we call residual self image.

そんなに信じられないか?
服が違うだろう。
腕や頭のプラグもない。
髪型も変わった。
今の君の姿はマトリックスにいたときの記憶が映し出した残像だ

Neo: This…this isn’t real?
これが現実じゃないと?

Morpheus: What is real. How do you define real?
If you’re talking about what you can feel, what you can smell, what you can taste and see, then real is simply electrical signals interpreted by your brain.
現実とは何だ? 明確な区別などできん。
五感で知覚できるものが現実だと言うなら、それは脳による電気信号の解釈にすぎん。

「現実とは何か」というのは本作品で何度も出てくる問いです。

たしかに脳で解釈された信号で認識するのが現実なら、マトリックスの世界もまた「現実」ということになってしまいます。そこから抜けることがなければなおさらそうでしょう。

同志のサイファーがマトリックスの世界に「現実」を求めたくなる気持ちもわかります。

ところで、モーフィアスのセリフに出てくる “residual” という言葉。あまり一般的ではないですが「残りの」と言う意味です。数学など自然科学の世界では「剰余」を表します。

Free your mind. -心を解き放て-

Morpheus: You have to let it all go, Neo, fear, doubt, and disbelief.
Free your mind.
感情はすべて捨てろ。恐怖、疑心、不信。
心を解き放つんだ。

Neo: Whoa. Okie dokie. Free my mind.
うわ、上等だ
。解き放て。

マトリクスを理解し始めたネオに対し、モーフィアスが新たな課題を与えています。

”free your mind” というフレーズは “prison for your mind” に対するモーフィアスの口ぐせです。

そしてネオのセリフにある “Okie dokie”。

要は “OK (わかった)” と言う意味なんですが、単に “OK” というよりも韻を踏んでいて面白いのでしょう。リズム感を大事にする英語らしい表現ですね。

文頭に置いて、「さて」「それじゃあ」などと話題を振る際にも使われます。

今回のネオの場合、状況からしてどちらの意味でも通りますね。

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the one -唯一の存在-

Neo: And she knows what, everything?
彼女は何を知ってる? すべて?

Morpheus: She would say she knows enough.
十分に知ってる
と言うだろうな。

Neo: And she’s never wrong.
預言は当たる?

Morpheus: Try not to think of it in terms of right and wrong.
She is a guide. She can help you to find the path.
当たり外れの問題ではない
彼女は歩むべき道を助言するだけだ。

Neo: She helped you?
君を助けたか?

Morpheus: Yes.
そうだ。

Neo: What did she tell you?
彼女は何と?

Morpheus: That I would find the one….
I told you I can only show you the door. You have to walk through it.
唯一の存在を見つけると。。
ドアを見せるまでと言ったはずだ。自分の足で確かめてこい。

預言者 (Oracle)についてネオがモーフィアスに質問していますが、モーフィアスははっきり答えようとしません。

自分が感じていた違和感に対する答えは、自身をコントロールすると決めたネオ本人の力で解決せよ、ということですね。

そして、それができる存在こそが “the one” なわけです。

モーフィアスが命を懸けて探し続ける “the one”。

字幕では「救世主」と訳されていましたが、 ちょっと宗教っぽくなってしまうので「唯一の存在」としてみました。

control of your own life -人生のコントロール-

マトリックス 預言者
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Oracle: You’ll remember you don’t believe in any of this fate crap.
You’re in control of your own life, remember?

「運命」なんて決して信じてはダメ。
人生は自分で決めるものよ、いいわね

ネオとモーフィアスの会話を見透かしているかのように話す預言者。

“remember” は「覚えている」「忘れずにいる」と言う意味で知っている人も多いと思います。

実際の会話では、文頭や末尾に付け加える形で、言いたいことを強調したり念を押したいときによく出てくる便利表現です。

believe in something -信じる-

マトリックス ネオ トリニティ
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

Neo: Morpheus believed something and he was ready to give his life for what he believed.
I understand that now. But that’s why I have to go.

彼は自らの信念のために命を投げ出した。
その意味がわかったから行くんだ。

Tank: Why?
なぜ?

Neo: Because I believe in something.
信じてるからさ。

Trinity: What?
何を?

Neo: I believe I can bring him back….
彼を連れ戻せると。

ネオ、モーフィアス、トリニティの3人にはあり、エージェント側にはないもの、それを象徴する言葉が “believe” です。

作品のなかでは “believe” と “believe in” の2種類の使われ方をしています。

どちらも「信じる」なんですが、あえて違いをいうと、”believe” がわりと客観的な事実を述べているのに対し、”believe in” は信念として信じる、実在を信じる、といったニュアンスになります。

まとめ

マトリックス ネオ スミス
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc.

斬新な映像表現や格闘シーンで話題を呼んだ「マトリックス」。

ブルース・リーや日本アニメの影響が随所に見られますが、歴史に詳しい人なら、聖書やギリシャ神話からもアイデアを拝借していることに気付くはずです。

そんなごった煮の世界観が混とんとした近未来の風景に奇妙にマッチしていて、それが「マトリックス」の魅力となっているのでしょう。

そして、実は英語学習の観点からもおすすめの作品となっています。

まず、主人公のネオが無口で、あまり長いセリフが出てきません(笑)。

仲間のモーフィアスやトリニティ、預言者にしても、何も知らないネオに丁寧に説明する場面が多く、スラングもなく聞き取りやすいです。

そして、物わかりの悪い人間に噛んで含めるように話す、優しい(?)エージェント・スミスもありがたいですね。

オリジナルのセリフを理解してから眺めてみると、様々なシーンにおける制作者の意図が改めてよく分かりますよ。

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この記事を書いた人
チップマンク

50代会社員。転職5回。
帰国子女でもなく留学経験もないですが、外資系や国内海外部門での経験を生かして英語に関するネタを中心に提供していきます。

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