「英国王のスピーチ」英語セリフと名言集

名画座

幼いころから吃音 (どもり) に苦しんできたバーティことヨーク公、後の英国王ジョージ6世と、オーストラリア出身の平民言語療法士ライオネルの交流を描いた「英国王のスピーチ」。

正統なイギリス英語で展開する本作品のなかから、ユーモアの利いたセリフ、知っておくと便利なフレーズ、心に刺さるひとことなどを原文の解説とともに紹介します。

言語療法士

Elizabeth: My husband has seen everyone… to no vail. Ah, awfully afraid he’s given up hope.
主人はあらゆる医者に診てもらったのですが、、その甲斐もなく。

残念ながら希望を失っているようなのです。

Lionel: He hasn’t see me.
私にまだ会ってないからですよ。

バーティの妻、エリザベスが言語療法士ライオネルのオフィスで夫の症状を説明しています。

ライオネルの “He hasn’t see me.” は直訳すれば「私にまだ会ってませんね」ですが、要は「私に会えば解決する」と言ってるわけで、初対面での根拠のない自信にエリザベスもあきれ顔です。

Elizabeth: What if my husband were the Duke of York?
もし私の主人がヨーク公だったら?

Lionel: Ah… I thought the appointment was for “Johnson”?
あの、、「ジョンソン」という名前でご予約では?

Elizabeth: Johnson was used during the Great War when the Navy didn’t want the enemy to know he was aboard.
ジョンソンは大戦中に使っていた名前です。当時の海軍で、殿下が乗船しているのを敵に知られないように。

Lionel: Am I considered the enemy?
私が「敵」だと?

Elizabeth: Yes will be, if you remain unobliging.
そうなりますね、あなたが非協力なままでは。

“What if ~” は、「~だったらどうする?」と尋ねる場合の定番表現です。

通常あり得ないような例えを持ち出すのが特徴です。

文法的には仮定法過去という用法で、主語の人称にかかわらず were を用いるのが特徴ですね。

素性のわからないライオネルに対して警戒心を持っているエリザベスは、情報を小出しにして相手の反応を見ています。

Lionel: Well, I believe when speaking with a prince, one waits for the prince to choose the topic.
えーと、王子様とお話するときは、話題をお選びになるのを待つと聞いてますが。

Bertie: W… Waiting for me to… commence a conversation one can w… wait rather a long wait.
わ、私が、会話を、は、始めるのを待っていたら、かなり長く待つことになるぞ。

Lionel: Oh, yeah. Do you know any jokes?
ああ、そうですか。ジョークはお上手ですか?

Bertie: A… t… timing isn’t my strong point.
ま、間を取るのが苦手でね。

冗談とも本気ともつかないバーティの返答に、ライオネルがあえて「ジョークは上手か?」と訊いています。

バーティのセリフ “timing isn’t my strong point” には、「吃音者はタイミングを取るのが苦手なのにジョークが得意なわけがないだろう」といういらだちが込められています。

英国王のスピーチ バーティ
© 2010 The Weinstein Company

Lionel: In here, it’s better if we’re equals.
ここでは、対等な関係の方がいいね。

Bertie: If w… we were equals I wouldn’t be here. I’d be at home with my wife and no-one would give a damn.
もし、わ、私たちが対等なら、私はここにはいない。
妻と家にいても、誰も気にかけないはずだからな。

また仮定法がでてきましたね。

“If we were equals I wouldn’t be here” 「私たちが対等ならここにいない」と言ってますが、実際には対等ではないのでここにいるわけです。

次の一文で「お前と同じ平民だったら、誰も私の吃音など気にしないだろう」と補足しています。

Bertie: You’re peculiar.
君は変わってるからな。

Lionel: I take that as a compliment.
お褒めの言葉として受け取っておくよ。

compliment は「ほめ言葉」「お世辞」という意味です。

バーティの皮肉に対するライオネルの返答 “I take that as a compliment.” は、相手の発言を自分に都合よく解釈するお決まりのセリフですね。

英国王のスピーチ ライオネル

家族

King George V: In the past all a King had to do was look respectable in uniform and not fail off his horse.
Now we must invade people’s homes and ingratiate ourselves with them.

昔なら、王は軍服を着て立派に見えるようにして、馬から落ちないしていればよかった。
今では、我々は国民の家に入り込み、彼らのご機嫌を取らなければならない。

バーティの父、ジョージ5世がバーティに対し、演説の練習をさせています。

“invade people’s home” というのは、「人々の家に侵入する」つまりラジオを通して国民に語りかけることを表しています。

David: Sounds like you’re studied our wretched constitution.
我が国のろくでもない憲法を勉強してきたようだな。

Bertie: Sounds like you haven’t.
兄さんはしてないようだね。

David: That’s what this is about? Brushing up.
Hence, the elocution lessons?

That’s the scoop around town.
なるほど、そういうことか? 帝王学を磨き上げているというワケか。
それで演説の練習も?

街で話題になってるぞ。

デイヴィッドのセリフ “That’s what this is about?” というのは、今までわからなかったことのつじつまが合った際に使われます。

憲法の勉強をしていることも演説の練習をしていることも、バーティが王を目指しているとすれば納得がいく、ということですね。

とんでもない勘違いですが。。

王位継承

Baldwin: Should His Majesty continue to ignore the advice of his government, he must abdicate.
陛下 (デイヴィッド) が政府の助言を無視し続けるおつもりなら、退位していただかなくてはなりません。

ボールドウィン首相とバーティが官邸で会話しています。

文頭の Should は、If が省略された倒置表現です。

TOEICも大好き(?)な重要表現なので、ぜひ覚えておいてください。

また、ここで面白いのは、首相が政府を指して “his government” と言っていることです。

his はデイビッドことエドワード8世のことですから、イギリス政府というのは形式的には今でも王もしくは女王のモノなんですね。

Lionel: He’s not here anymore.
父上はもうこの世にいらっしゃらない。

Bertie: Yes, he is. He’s on that one shilling I gave you.
いや、いるんだ。君に渡した1シリング硬貨にいるじゃないか。

Lionel: Easy enough to give away. You don’t have to carry him around in your pocket. Or your brother. You don’t need to be afraid of the things you were afraid of when you were five.
You’re very much your own man, Bertie.

では持ち歩くな。ポケットから出すんだ。兄上のことも。
5歳のときの恐れなど忘れていい。
もう十分に自分の道を歩いているよ、バーティ。

「父上はもういない」に対して「いや、いるんだ」と言いたい時は “No” ではなく “Yes” と答えます。

英語の Yes, No は、相手の聞き方に関係なく、肯定形ならYes、否定形ならNoです。

わかっていてもとっさに間違えそうになるので気を付けてくださいね。

英国王と平民

Bertie: I vouched for you and you have no cr… cr… credentials.
私は君を保証したが、君は、し、、資格がない。

Lionel: But lot’s of success! I can’t show you a certificate, there was no training then.
Everything I know I know from experience, and that war was some experience.
しかし、成功例はたくさんある ! 証明書を見せることはできない。養成課程のない時代だったからだ。
私のすべては経験によるものだ。あの戦争がものすごい経験だった。

ここで注目は some experience の “some” です。

some を「いくつかの」だけで解釈していると、ここの意味を上手くとらえることができません。

実は、some には「たいした」「大変な」という意味もあるんです。

used to say that something was very good or very impressive
大変優れた、もしくは印象的な事柄について話すときに使う

– ロングマン現代英英辞典より-

ここぞというシーンで出てくるので覚えておきましょう。

Lionel: That was very good, Bertie.
You still stammered on the “W”.
とてもよかったよ。
でもまだ “W” のところで引っかかってたな。

Bertie: Well, had to throw in a few so they knew it was me.
わざとさ。私とわかるように。

バーティの返答は直訳すれば「私とわかるように入れておかなければならなかった」ですね。

実話に基づいたエピソードとのことですが、上手い返し方ですね。

まとめ

身分や職業に関係なく、直接的な物言いを避けつつユーモアの中に本音をのぞかせるイギリス式の会話を聞いていると、人間関係における言葉の大切さというものを再認識させられます。

よく「アメリカ英語」「イギリス英語」といいますが、同じ言葉でもその発音以上に文化的・歴史的な背景の違いに着目しながら聞くことで、より話し手の実像に迫ることができます。

ここまで読んで、

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この記事を書いた人
チップマンク

50代会社員。転職5回。
帰国子女でもなく留学経験もないですが、外資系や国内海外部門での経験を生かして英語に関するネタを中心に提供していきます。

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