「ヒア アフター」あらすじ/過去にとらわれた3人の喪失と再生

ヒア アフター 名画座

あらすじ

休暇先で津波に遭遇し、死の間際に見えた光景が忘れられずに真実を求め続けるジャーナリストのマリー。

双子の兄を突然失うという悲劇に見舞われ、彼との再会だけを願い街をさまよう少年マーカス。

死者と会話ができるという特殊な才能を封印し、人並みの幸せを願う工場労働者のジョージ。

死の影を引きずり、周りにも理解してもらえない3人が導かれるように交錯し、やがてそれぞれの生きる意味を見出していく。

ヒア アフター (字幕版) -アマゾンプライムで観る-

勝手に評価

キャスト4.0
映像4.0
音楽3.5
演出3.5
総合3.5

It’s not a gift, Billy, it’s a curse.

才能なんかじゃない、呪いなんだ。

主人公が霊能力者なのでサイコホラーもの、もしくはスピリチュアルなものを想像しがちですが、そうではありません (特撮は凝ってます)。

死よりも生にフォーカスした内容で、ジョージ、マーカス、マリーの3人が互いに影響を受け合いながら新たな一歩を踏み出す様子が抑制の効いたトーンで描かれています。

なお、タイトルの「ヒア アフター (hereafter)」という単語は

  1. 「死後の世界、あの世」
  2. 「これから先」

というふたつの意味がありますが、本作品はどちらの意味にも通じるところが深いです。

Sometimes, I mean you know, knowing everything about someone, it seems nice, but really, maybe it’s actually better to hold stuff back.

なんていうかな、誰かのことをすべて知るのはいいことに思えるかもしれない、でも知りすぎない方がいいんだよ。

霊媒師として人の内面に入り込むことがお互いの幸せにつながらないことをジョージは経験的に知っています。

なので、金儲けのために自分の能力を使うことには消極的ですが、かといって他に得意な分野があるわけでもなく、ある日誰にも言わず旅に出てしまいます。

ジョージ役のマット・デイモンは、こういった影のある役柄がよく似合いますね。

そんなジョージが、亡くなった兄を求めてさまようマーカスと出会います。

He says if you’re worried about being on your own, don’t be. You’re not. Because he is you and you are him. One cell. One person. Always.

ひとりでいるのが心配なら、大丈夫。君はひとりじゃない。だって僕はお前でお前は僕なんだから。一卵性は、二人でひとりだ。いつまでも。

ジョージの人生において、死者と対話できるという能力がこれまでプラスになることはありませんでした。

しかし、死者というより自分の言葉でマーカスに立ち直るきっかけを与えられたことで、ジョージもまた自分を肯定し、前に進むことができたのです。

それにしても、マーカスの健気な姿勢にはつい心を揺さぶられますね。

そしてもうひとり、死にとりつかれたマリーとジョージの仲を取り持つのにマーカスが重要な役割を担っています。

マリーは休暇先での臨死体験が頭から離れず、同僚で恋人のテレビディレクターも徐々に離れていきます。

このマリーとディレクター氏の関係は、身近な存在に自分を理解してもらえない辛さという点で、ジョージおける兄との関係と共通のものがありますね。

フランスのような個人を尊重するお国柄の地でさえ、死というのはある意味タブー視されているのでしょう。彼女の周りの人間が徐々に引いていき、孤独を強めていくなか、ロンドンのブックフェアでジョージと偶然出会います。

ジョージ、マリー、マーカスという過去に囚われた3人が、それぞれお互いの影響を受けながら自分を肯定し、前向きに生きていこうとするシーンは見ていてすがすがしい気持になります。

多くを語らないラストには賛否両論ありますが、観ている方に判断を委ねるクリント・イーストウッド監督らしい演出だなと思いました。

困難を乗り越え新たな一歩を踏み出す姿勢に共感したい人、元気をもらいたい人におすすめの作品です。

個人的にはジョージがマリーに送った手紙の中身と、料理教室で知り合ったメラニーのその後が気になりますね。。

もう一度見たい、しみじみ映画ランキング21選

原題Hereafter
公開2010年 アメリカ
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ
監督クリント・イーストウッド
出演マット・デイモン (ジョージ・ロネガン)
セシル・ドゥ・フランス (マリー・ルレ)
フランキー・マクラレン (マーカス)
ジェイ・モーア (ビリー・ロネガン)
ブライス・ダラス・ハワード (メラニー)

作品情報

「マイ・インターン」あらすじ/若き女性CEOとシニア・インターンの爽やかな友情

「シックス・センス」/予想外の展開に驚きの泣けるサスペンス

この記事を書いた人
チップマンク

50代会社員。転職5回。
帰国子女でもなく留学経験もないですが、外資系や国内海外部門での経験を生かして英語に関するネタを中心に提供していきます。

チップマンクをフォローする
名画座
スポンサーリンク
チップマンクをフォローする
keep on walking

コメント

タイトルとURLをコピーしました