「グリーンブック」英語セリフと名言集

名画座

黒人ピアニストとイタリア系白人の運転手がアメリカ南部をめぐる演奏ツアーを通してお互いを見つめなおしていく「グリーンブック」。

天才肌で冷静なシャーリーと人情派のトニーの内面の変化が見どころですね。

そんな「グリーンブック」から心に刺さるセリフや気の利いた言い回しなどを、ロードムービーらしく滞在先別に原文の解説付きで紹介します。

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タイトルについて

本作品のタイトル “GREEN BOOK” とは黒人が安全に旅行するためのガイドブックのことで、人種差別の激しかった1930年代から1960年代にかけて発行されました。

でもなぜ “GREEN” なのか?

気になって調べたら、創刊者の名前であるヴィクター・H・グリーンに由来していました。

ブロンクスでの名言

Dr.Shirley: I had my record label ask around town to find me the right man.
Your name came up more than once.
You’ve impressed several people with your… innate ability to handle trouble.
レコード会社に調べさせたら君の名が何度も出た。
トラブルを解決する腕を高く評価されてるようだ。

Tony: You need someone to get you from point A to point B?
You need someone to make sure there’s no problems along the way…
And believe me you in the deep South there’s gonna be problems.

A地点からB地点まで問題なく移動したい?
あんたが南部で?
そんなことは無茶だ

グリーンブック シャーリー トニー

運転手募集の案内に応募したトニー。

冒頭のシャーリーのセリフは、have + 人 + 動詞原形 で、「誰々に~してもらう」の典型的な使い方ですね。

人種差別の激しい南部を単独でツアーしようというシャーリーの無謀さにトニーは驚いてます。報酬がいいので結局引き受けるんですが。。

“believe me” というのは、「信じてほしい」から転じて「本当だよ」と念を押しているイメージですね。

Dolores: He’s colored?
Then you wouldn’t last a week with him.
黒人なの? 1週間もたないわ

グリーンブック トニー ドロレス
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

そういうトニーも、「黒人に偏見を持つくせに8週間も一緒にいられるワケがない」と妻のドロレスにあきれられています。

“colored” というのは直訳すれば「有色人種」ですね。

アメリカでは主に黒人を指す言葉でしたが、最近ではシンプルに “black” を使うのが一般的です。

Tony: So, any way we could maybe hit the road early next morning so we could be home in time for Christmas Eve?
翌日朝早く出てイブに家に帰れるかな?

Dr.Shirley: We’ll see.
どうかな

Tony: Appreciate it.
頼むよ

“We’ll see.” というのは、YesともNoとも言えない時のあいまい表現です。英語にもこんな便利な言い方があるんですね。

対するトニーの “Appreciate it” 。主語の “I” を省略した、日常でよく使われるフレーズです。

通常は感謝を表しますが、今回のように「どうぞよろしく」といったニュアンスでも使われるので覚えておきましょう。

ケンタッキーでの名言

Tony: My father used to say, whatever you do, do it a hundred percent.
When you work, work, when you laugh, laugh, when you eat, eat like it’s your last meal.
俺の親父は「何をするにも100%の力を出せ」と
仕事をするときも、笑うときも、食う時は「最後の食事だ」と

グリーンブック トニー

ケンタッキーでフライドチキンをウケながら食べるトニー。

その油や衛生面を気にするシャーリーに、とにかくリラックスして楽しむんだと諭しています。

リズム感もあって面白い言い回しですね。

Tony: Do you know where you are?
この地域を知らないのか?

Dr.Shirley: Does the geography really matter?
If I was in a bar…in your neighborhood, would…the conversation be any different?
地域の問題かな?
君の家の近所のバーに入っても同じ騒ぎになった

夜間のバーで暴漢に襲われたシャーリーをトニーが助けに行くシーンです。

南部だけの問題ではないことを指摘されたトニーは返す言葉がないのでした。

ノースカロライナ州ローリーでの名言

Dr.Shirley: And I’d suppose you’d know from experience.
使われた経験が?

グリーンブック シャーリー

ゲストとして招待されながら屋外の劣悪なトイレを案内されるシャーリー。

外見が悪いだけで問題ないと答える支配人への一言です。

suppose は「~だろうなと思う」「仮定する」といった、比較的根拠の薄い認識を示すときに使います。

直訳すれば「あなたご自身の経験から知っているということなのかな?」といった感じです。

Tony: How does he smile and shake their hands like that?
どうしてこんな連中に愛想よくできるんだ?

Oleg: Dr.Shirley could’ve stayed up north getting rear-end kissed at Park Avenue parties for three times money but he asked for this.
ドクターは北部ならチヤホヤされ3倍の金を稼げた、だが自らここに来た。

Tony: Why?
なぜだ?

口よりも手が先に出るタイプのトニーがシャーリーの行動の真の意味を理解できるには、もう少し時間が必要でした。

ステージ仲間であるオレグのセリフに出てくる “rear-end” は「車の後部」とか「追突」という意味です。

つまり、「ニューヨークのパークアベニューならファンのキスに追いかけられるところだ」ということですね。

Dr.Shirley: What on God’s green earth are you doing?
Looks more like a piecemeal ransom note.
Tell me what you’re trying to say.
それはいったいなんだ?
切り貼りの脅迫状かと。
何が言いたい?

Tony: You know, how I miss her and shit.
さあね、「彼女がクソ恋しい」と

Dr.Shirley: Then say that.
But do it in a manner that no one else has ever done it before.
And without the profanity.
そう書くんだ。

汚い言葉を使わずに誰にも書けない手紙をね。

グリーンブック シャーリー トニー
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

“on God’s green earth” は「いったいぜんたい」という意味で、”on earth” と意味はほぼ同じです。

“God” をつけることで、よりもったいぶった言い方になってますね。

なお、「手紙」は本作品では登場人物をつなぐ重要な小道具となっています。詳しくはぜひ本編で確認してください!

ジョージア州メイコンでの名言

Tony: Of course I don’t want you to miss a show, you ungrateful bastard!
You think I’m doing this for my health?
Tonight I saved your ass, so show a little appreciation… Maybe?
俺が自分の懐しか考えない男と思うのか? 恩知らずめ。
俺が助けたんだぞ、ちょっとは感謝しろ。

Dr.Shirley: I assumed you would want this to be the exception.
今夜は知られたくなかった

グリーンブック シャーリー トニー

シャーリーは二重の意味で差別を受けていることがわかり、気まずい雰囲気が二人を包みます。

“assume” は “think” と似ていますが、「当然と思う」「仮定する」というニュアンスがあり、思った通りにならなかった場合によく使われます。

テネシー州メンフィスでの名言

Dr.Shirley: I’m sorry about last night.
昨夜はすまなかった。

Tony: Don’t worry about it.
I been working nightclubs in the New York city my whole life…I know it’s…complicated world.

心配するな。
俺はNYのクラブで働いてたから知ってる。
この世は複雑だ。

珍しく弱気な顔を見せるシャーリー。

YMCAでの出来事といい、ホテル前でのトニーと友人の会話といい、シャーリーに負わされる困難には言葉が見つかりません。

トニーの一言にこちらまで救われる気分ですね。

Tony: Anyone can sound like Beethoven or Joe Pan or them other guys you said.
But your music, what you do…Only you can do that.
ベートーヴェンだのジョーパンとやらは大勢が弾く。
でもあんたが弾くようなピアノはあんただけだ。

Dr.Shirley: Thank you Tony.
But… not everyone can play Chopin…not like I can.
ありがとう、トニー。

でも私の弾くショパンは私だけだ

クラシック志向だったシャーリーはレコード会社のすすめで現代音楽に転向していました。

それで成功したんですが、やはりクラシックに対する思いは持ち続けていたんですね。

“not everyone” は部分否定といって、「誰もが~ではない」という時の便利表現です。

直訳すると「誰もがショパンを弾けるわけではない、私のようにはね。」

となります。クラシックに対するプライドをのぞかせる発言です。

ミシシッピ州ジャクソンでの名言

Dr.Shirley: So that little temper tantrum… was it worth it?
You don’t win with violence, Tony, you win when you maintain your dignity.
Dignity always prevails.

殴ってなんの得があった?
暴力は敗北だ。
品位を保つことが勝利をもたらすのだ

Dr.Shirley: I’ve had to endure that kind of talk my entire life, you should be able to take it for at least one night.
私はいつも耐えてる。一晩くらい我慢しろ

Tony: What, I can’t get mad at that stuff he was saying ‘cause I ain’t black?
Christ, I’m blacker than you.
You don’t know shit about your own people!
黒人でないから?
俺はあんたより黒人だ。
あんたは黒人を知らない

警官を殴って拘留されてしまった二人。

トニーのセリフは少し難しいですが、

「自分は黒人じゃないから、あんなこと(警官に黒人とイタリア人をバカにされたこと)を言われても怒ってはいけないのか」

という意味ですね。

“I’m blacker than you” というのは面白い表現です。特権階級のシャーリーよりもただの労働者である自分の方が実際の黒人に近いんだ、ということが言いたいのでしょう。

Dr.Shirley: Yes, I live in a castle! Tony. Alone!
And rich white people pay me to play piano for them, because it makes them feel cultured.
But as soon as I step off that stage I go right back to being just another nigger to them.
Because that is their true culture.
And I suffer that slight alone, because I’m not accepted by my own people, because I’m not like them either!
So if I’m not black enough, and if I’m not white enough, and if I’m not man enough, then tell me Tony, what am I ?!

そうだ、私は独りで城住まいだ!
金持ちは教養人と思われたくて私の演奏を聴く
でもステージを降りれば私はただのニガー、それが白人社会だ
その蔑視を私は独りで耐える。はぐれ黒人だから。
黒人でも白人でもなく男でもない私は何なんだ?

この少し前に、トニーの

“I know exactly who I am.” (俺は自分が何者かをわかっている)

というセリフがあります。

人もうらやむ城住まいながら、自らのアイデンティティに苦しむシャーリーの告白を黙って聞くトニー。

グリーンブック トニー

自分では当たり前だと思っていたことが実はそうではないことにトニーはようやく気が付くのです。

シャーリーのセリフで ”I’m not black enough” と enough が付いているのは、色は黒くても「十分な」「満足な」黒人ではない、と言いたかったんですね。

アラバマ州バーミングハムでの名言

Tony: You know… the world’s full of lonely people afraid to make the first move.
寂しい時は自分から先に手を打たなきゃ

ここは直訳すると「世の中は先に行動するのを恐れる寂しい人たちで一杯だ」となります。

詳しくは書きませんが、クリスマスイブにおけるシャーリーのある行動の伏線になってますね。

Oleg: You asked once why Dr.Shirley does this?
I tell you.
Because genius is not enough.
It takes courage to change people’s hearts.

ドクターがなぜこの旅に出たのかといつか尋ねたな?
教えてやろう。
才能だけでは十分じゃないんだ。
勇気が人の心を変える。

グリーンブック シャーリー トニー
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

差別に立ち向かう姿を暴力的にではなく行動で示していたシャーリー。

この頃にはトニーにも十分わかっていたのではないでしょうか。

オレンジバードでの名言

Tony: Don’t be shy, Doc. Tell her who you are.
ドク、自分が誰か言ってやれ

Bartender: Don’t tell me nothing, show me.
言わなくていいから、見せてよ。

グリーンブック シャーリー トニー

黒人が集まるパブ・オレンジバードでの1シーンです。

“Tell her who you are” すなわち自分のアイデンティティを音楽で見せてやれ、ということですね。

ここからのハイライトシーンは何度見ても鳥肌モノです。

まとめ

「アメリカ南部と黒人を扱った作品」ということで社会的な硬派ドラマを想像してしまいましたが、さにあらず。

メインとなるテーマは2人の友情と家族の絆で、人情味あふれるトニーの明るさとノリの良い音楽のおかげで最後まで楽しめます。

グリーンブック ケンタッキーフライドチキン

人種問題の根深さには深刻なものがありますが、シャーリーの勇気がトニーを変えたように、現実社会の方も、少しずつでもいいから前進してほしいと切に思います。

さらにお酒好きの人なら、カティサークが飲みたくなること請け合いです!

英語に関していえば、文法間違いやスラングが多いトニーの下町英語に対し、シャーリーの正統かつ聞き取りやすい英語の対比が面白いです。

様々な職業、背景をもった登場人物の話し方に注意しながら見ていくと、また新たな発見がありますよ。

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おまけ : 英語が苦手な人はこちらを

「そうは言っても全文英語なんてムリ」

「かっこいいセリフを一つだけ教えて」

という人には、こちらがおすすめです。

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作品情報からちょっとしたトリビア、そしてネタバレ無しのセンスいいイラスト解説まで載っていて、とても楽しく元気が出てくる本です。

もちろん「グリーンブック」もしっかり載ってますよ。

「最近なんかいいこと無いなあ」という人、占い代わりにパラパラとめくったところから読んでみてください。

きっと心に刺さるフレーズが見つかりますよ!


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この記事を書いた人
チップマンク

50代会社員。転職5回。
帰国子女でもなく留学経験もないですが、外資系や国内海外部門での経験を生かして英語に関するネタを中心に提供していきます。

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